こんにちは。きちきち(@kichi2hibiyory)です。
ハンドメイド作家の皆さんの中で、年末に材料を買って、経費にすれば利益が減って節税になる!!と思ってる人はいませんか?
私もそんなことを考えた時期がありました。
しかし、それは決してやってはいけない間違いだったのです。
所得=収入−経費だけど…
税金を減らしたいのであれば、所得を減らすことが重要になってきます。
※課税所得を計算する場合、様々な控除が関わってきますが、今回は経費のお話なので細かい控除は気にしません。
所得というのは、売上(収入)から様々な経費を引いて残った額です。
利益という考え方もできますね。
式にしてみるとこんな感じの印象でしょうか?
↓
所得=収入−経費(かかった費用)
しかし、この所得計算はこんなに単純なものではありません。
もう少し詳しく見ていきましょう。
事業所得=総収入−費用(売上原価+必要経費)
になります。
このように見てみると、今まで漠然の「掛かった費用」と捉えていたものが2つに分かれます。
分けて見ていきましょう。
必要経費とは
必要経費の方がイメージが掴みやすいと思うのでこちらから。
これは皆さんが俗にイメージする経費でしょう。
例えば、
宣伝するためのポスターやネット広告を掲載したりする「宣伝広告費」
取引先と飲みに行ったりする「接待交際費」
書類作成するための筆記用具などが含まれる「消耗品費」
この他にも、交通費や光熱費など様々なものがこちらに含まれます。
収入を得るために、間接的に必要となる費用がこちらに含まれます。
売上原価
さて、ここからが問題の売上原価です。
売上原価=期首棚卸高+当期仕入れ高−期末棚卸高
で計算されます。
期首棚卸高
個人事業の場合、期首とは1月1日のことになります。
白色申告、青色申告をする場合は棚卸しが必要になります。
棚卸しをしないと売上原価が出せないからです。
売上原価が出せないと、青色申告、白色申告の書類が埋まりません。
1月1日の在庫の量を確認しておくことが必要ということです。
当期仕入れ高
これは1月〜12月までの1年間に仕入れたお金です。
売り物を買ったり、ハンドメイドであれば材料を買ったりします。
※製造の場合、実は原価がさらに面倒くさいです。今回は割愛します。
売上に直接関係するような経費とも言えるのではないでしょうか。
期末棚卸し高
期末とは決算時期です。
個人事業主の場合は12月31日になります。
一年の終わりに製品在庫や材料をどれだけ持っているかということです。
これが、来期の期首棚卸し高になります。
原価が高い方が税金は少ない
ここで一度落ち着いて整理しましょう。
税金を気にしないのであれば…
- 所得は多い方が嬉しい
- 原価は安い方がいい
- 必要経費は少ない方がいい
そんなの決まってます!
でも、節税を考えると逆なんです。
所得はに対して税金がかかりますから。
所得=総収入−売上原価−必要経費
と考えた時には…
- 所得は少ない方が税金は少ない
- 売上原価は高い方が税金は少ない
- 必要経費は多い方が税金をは少ない
すごく違和感ありますよね。
全く逆です。
でも、この考えが節税をする上で重要なんです。
式を見ればわかるように、所得を減らすには売上原価を上げることが重要です。
例えば、
収入:800万
売上原価:300万
必要経費:200万
だったとします。
この場合、課税所得=800万−300万−200万=300万。
300万に対して税金がかかります。
20%税金がかかるとしたら、60万円税金を支払わなければなりません。
しかし、製造原価が400万だったらどうでしょう。
800万−400万−200万=200万に対して税金がかかりますので、
40万円税金を払います。
このように製造原価が増えるだけで、支払う税金が減るのです。
※各種控除は話はないものとします。
売上原価を増やすには
税金を減らすには売上原価を上げることが重要であることはわかったと思います。
では、どうすれば製造原価を増やすことができるのでしょうか?
売上原価はどんな計算だったでしょうか?
売上原価=期首棚卸高+当期仕入れ高−期末棚卸高
でした。
計算式を見ると売上原価を減らしてしまう要素は1つです。
そうです。
期末棚卸高です。
一年の終わりに在庫を持っているということは、それだけ売上原価を減らしてしまいます。
要するに棚卸し在庫が多ければ多いほど、税金を多く払わなければならないのです。
決算セールって節税のためだった
ここまでゴチャゴチャと話してきました。
もう、計算式をわからないって人は1つだけわかってください。
期末に在庫を持っていると、それだけ税金を多く払わなければならない。
これだけです。
よく決算セールって見かけませんか?
決算だとなんでセールなんだろう?って昔から思ってましたが、今回のことでわかりました。
決算=期末
ですから、期末の在庫をできるだけ処分して節税したいよ!っていうセールだったんですね。
何気ない所と繋がりました。
このシステムは事業所得だけ?
ここまで、細かい計算式を説明してきました。
ただ、全ての確定申告がこのシステムかと言うと一概には言えないかもしれません。
開業届を提出し、事業所得として確定申告をする場合、青色申告、白色申告に関わらず棚卸しが必要になります。
しかし、副業レベルでの雑所得ではどうでしょうか?
収支内訳書を提出する義務があるわけではありませんから、材料費も含めて必要経費になると言う考え方もあるのかもしれません。
この辺は追って調べて行きたいと思います。
まとめ
まとめでは、難しい話は無しにしましょう。
詳しく知りたい人はよく読んでください。
- 期末の在庫は少ない方が税金少なくて済む。
- 期末に経費だと思って材料。買うのは間違い。
- 事業所得じゃなければ、関係ないかもしれない。