ハンドメイド販売において在庫を持つということは、大きなリスクになります。
場所もとるし、税金もかかります。
この記事では、オーダーメイドや受注生産することでできるだけ在庫を持たないことについて考えていきます。
在庫を持つメリット
さて、冒頭には在庫は良くないものみたいな書き方をしましたが、もちろんメリットだってあります。
商品の発送が早い
在庫を持つということは、商品を売れたタイミングで手元に商品があるということです。
要するに注文があれば、より早く商品を発送することができます。
近年Amazonなどのネット販売が普及するにつれて、注文すれば「翌日には届く。」
遅くても、「2〜3日で届くだろう」と考える人が増えてきています。
そういった感覚の人がハンドメイド作品を買った時に1〜2週間かかると…
「納品が遅かった…」
なんてことになるわけです。
もちろん、ハンドメイド販売のサイトや商品ページには.
「納期:2週間」
と記載しています。
でも、はっきり言って読んでない人が多いのです。
他にも、
購入してから備考欄に、
「〇〇日にまでに届くようお願いします。」
なんて一方的な人もいます。
もちろん、場合によっては特急料金のようなものを取る場合もありますが、ペースを乱されるのであまり望ましくはありません。
そう言った意味では、在庫があるものだけ売っていれば、トラブルになる可能性も低く、梱包作業だけその日にやればいいのです。
これは在庫のメリットと言えるでしょう。
作製のタイミングが自由
在庫を持つということは、好きなタイミングで商品を作ればいいということです。
例えば、
今日は忙しいから明日作ろう!
とか、
今日は時間があるから多めに作っておこう!
という風に、自分のタイミングで商品を作ることができます。
特に副業としてハンドメイドをやっている人からすれば、これは重要な要素だと思います。
在庫を持つデメリット
在庫を持つということはいいことばかりではありません。
場所をとる
まず、在庫を置いておく場所を取ります。
アクセサリーなどであれば、そこまでではないかもしれませんが、バッグなどカサ張るものを取り扱っているとバカになりません。
自宅件工房的な感じにの人も少なくないはず。
そういった人は特に在庫があると邪魔でしょう。
個人レベルでやっていれば、「自宅に置いておく。」で済む話かもしれません。
しかし、規模が大きくなってくれば、倉庫を借りたりしなければならなくなるかもしれません。
それだけ在庫というのはお金がかかるものなのです。
商品が劣化する
ハンドメイド作品は、食品ほど劣化が早いわけではありません。
それでも、劣化します。
日の当たる場所に置くなんてもってのほかです。
作ったものが、作った順に売れてくれればいいのですが、そうゆうわけにもいきません。
もちろん、人気があれば多く作りますし、動きがなければ減らします。
それでも、すべてがうまくいくことなんてないのです。
作ったら、すぐに梱包を済ませ、日の当たらないところに保管することが重要です。
ただ、湿度が高い場合カビる可能性もあります。
在庫を持つということは、劣化との戦いでもあると言えるでしょう。
税金がかかる
在庫には税金がかかります。
商品は資産として考えられるため、年末の棚卸しの際に、存在している在庫には税金がかかると思っていた方がいいでしょう。
「そんなこと言ったら、材料だって税金かかるんじゃないの?」
と、思うかもしれません。
もちろん、材料にも税金はかかります。
しかし、材料の状態と商品の状態とでは資産価値が違います。
そりゃそうですよね。
あなたが手を加えて価値を付加してるわけですから。
だからこそ、在庫を持つということはリスクもあるという事なのです。
在庫を減らすために
では、在庫を減らすにはどうしたらいいのでしょうか?
もちろん、在庫量を調節して、なくなりはしないけど、多すぎないようにするのが一番良いでしょう。
しかし、商品数が増えれば増えるほど管理は難しく、実態なんてものはありません。
そこで、私がオススメしているのが、受注生産とオーダーメイドです。
受注生産
受注生産は注文が入ってから生産するというスタイルです。
私の場合、一度商品を作ったら展示用の写真を撮り、自分で使っているレビューや説明を書きます。
それをネット販売にアップしたら、期限内で作れそうな量を販売します。
私は基本的に1個にしてます。
で、注文が入った時に時間に余裕があれば、その場で在庫を増やしておきます。
こうしておくことで、注文が大量に入り作りきれない!ということにならないようにしています。
もしこれが、在庫10個とかにしていると突然10個の注文が入った時に、対応するのが辛くなります。
もちろん、どんどん売りたいような専業の方は、在庫を増やしておいた方がいいと思います。
私は副業であり、仕事から帰ってきて疲れてやりたくない時もあれば、突然の出張で作業ができない時もあります。
そんな時のための保険として数を細かく調節するようにしています。
最近はなんでもスマホで対応ができるので、そこまで販売の機会を逃してはいないと考えています。
オーダーメイド
オーダーメイドも基本的なスタイルは受注生産と同じで、受動的なスタイルですね。
ただ、オーダーメイドは受注生産以上に作製時間も労力もかかります。
その為、しっかりとした料金を取ることで成り立つようにしています。
オーダーメイドに関しては、初回の在庫作りも必要ありませんから、ロスは圧倒的に少ない方法だと思います。
まとめ
ここまで、在庫を持つことによるメリットとデメリットに触れてきました。
在庫には、良いところもあれば悪いところもあるとわかっていただけたと思います。
あとは、ハンドメイド作家さん自身のスタイルによるものが大きいと思います。
在庫を持つことによって、お客様からの注文に迅速に対応することができ、急な対応に自分が追われることも減るでしょう。
逆に、在庫を持たないことによって場所や税金を節約し、急な注文が来た時は頑張るというスタイルでもいいと思います。
私の場合は、あまり在庫を持たず受注生産で受けるのが合っているかと思っています。
注文が入っており、絶対に売れるとわかっているものは「作らなければならない」というプレッシャーであると同時に、ある程度の強制力があるからです。
これがないとサボったりしがちになってしまう場合がありますから。
ぜひ、皆さんも自分のスタイルにあったやり方を見つけていただければと思います。